LinkedIn企業ぺージの作り方|
海外向けLinkedInアカウント運用ノウハウ【完全ガイド】

これまで多くの企業の関心は Facebook や Instagram に向けられてきましが、最近では LinkedIn に対する企業の関心が高まってきました。
LinkedIn は他のSNSとは異なり、経営者や意思決定者といった企業の幹部の多くが利用するソーシャルメディアで、BtoBビジネスとの相性が非常に良いことで知られています。
特に海外では、非常にユーザー数が多く、LinkedInを効果的に運用できれば、世界中のターゲットユーザーに情報を的確に届ける事ができる”無限の可能性を秘めたツール”と言っても過言ではありません。
そこで本記事では、LinkedIn企業ページの開設方法から、企業が効果的にLinkedInアカウントを活用するためのノウハウを凝縮してお届けします。
目 次
LinkedInが海外ビジネスに向いている理由
多くの人はLinkedInを「海外の転職プラットフォーム」と見ていますが、LinkedIn は新しいビジネス機会を生み出すための効果的なプラットフォームです。LinkedInが海外ビジネスに向いているメリットをいくつかご紹介します。
海外ユーザーが圧倒的に多い
日本における LinkedIn会員数は 400万人ほど。これは、人口の 3%程度で、他のソーシャルメディアと比べて、まだまだユーザー数、知名度ともに低い状態です。
しかし、海外に目を向けてみると、LinkedInの会員数は13億人を超え、TikTokに次ぐユーザーを獲得しています。以下は、2025年11月時点の LinkedIn 国別会員数です。
LinkedInの国別 会員数
| アメリカ | 2億4,700万 |
| インド | 1億6,700万 |
| ブラジル | 9,200万 |
| イギリス | 4,500万 |
| フランス | 3,600万 |
| インドネシア | 3,500万 |
| DACH:独墺瑞 | 2,900万 |
| カナダ | 2,700万 |
- LinkedInの会員数は13億人を突破
- アメリカユーザーが20%近くを占める

- IT・エンジニア人口が多いインドは、爆発的にユーザー数が増加中

- 韓国、台湾、日本では会員数が少ないが、意思決定者の比率が高い!
ユーザーの大半が「ビジネスに興味関心がある」
LinkedInが他のソーシャルメディアと最も違う特徴の一つが、LinkedInを利用している人々「利用目的」にあります。
下記のデータは、各SNSの“アクティブユーザーが「どのような目的でソーシャルメディアを利用しているか」を比較した表になります。

このデータからも分かるとおり、LinkedInはエンタメやプライベート交流ではなく、ニュース・業界動向・ビジネス情報の収集を目的に使われる割合が高いという特徴があります。
これは、LinkedIn ユーザーの 5人に4人が「ビジネス上の意思決定に関与する層」で構成されていることに起因します。このため、LinkedInは、BtoB企業が最も接点を持ちたい意思決定者に、直接リーチできる数少ないソーシャルメディアと言えます。
質の高いリードを獲得できる
LinkedInは、BtoBリードを効率よく生み出せるソーシャルメディアです。
LinkedInの調査によると、SNS経由のBtoBリードの約80%がLinkedInから生まれており、Twitter(13%)やFacebook(7%)を大きく上回っています。また、BtoB マーケティング担当者の 40% が、LinkedIn が高品質のリードを獲得する最も効果的なチャネルであると回答しています。
このように、LinkedInのBtoBマーケティングにおける相性の良さは実証されています。

LinkedIn企業ぺージを開設し、運用体制を整える
ここでは、LinkedInの企業アカウントを開設し、企業ページを作る手順を解説します。
企業ページを作るためには、「個人アカウント」の開設が必要になります。もし個人アカウントがない場合は、事前に作成しておきましょう。
個人アカウントの開設
① ここからLinkedInの登録ページに移動します。
ここでは「メールアドレス・使用するパスワード」を入力します。登録したメールアドレスに承認コードが届くので承認手続きをすれば、個人アカウントの開設が完成します。
② プロフィールの入力
個人アカウントが開設できたら、プロフィールの内容も充実させ、個人ページを充実させておきましょう。
- LinkedInは、「実名登録制」
- 個人アカウントはあくまで「個人アカウント」です。登録するメールアドレスは、企業のメールアドレスを避け、個人アドレスを使用します。
会社ページを作成する
① 先ほど登録した個人ページにログインし、ヘッダーの右上「ビジネス向け▼」をクリックします。
②「会社ページを作成+」をクリックします。

③ 作成する企業ページの種類を選択します。
「会社・プロモーションページ・教育機関」の中から該当する企業形態を選択します。
④ 名前、ウェブサイトURL、ロゴ、プロフィールの詳細など、各種情報を入力します。
- 名前
- LinkedIn上で表示されるURL
- 企業のウェブサイトURL
- 業 種(Industry)
- 組織の規模(Company size)
- 組織の種類(Company type)
- ロゴ
- タグライン(Tagline)
⑤ 利用規約を読み、管理権限が自身にあることに同意する場合、検証ボックスに✅マークを入れ、ページを作成します。
これで、企業アカウントの開設が完成しました👏とても簡単に開設することができますね。続いては、情報を追加して会社ページを完成させていきます。
情報を追加して会社ページを完成させる
LinkedInは、以下の項目を追加することで、企業ページの完成度を高め、ブランド訴求力とリード獲得効果を強化できます。
追加で入力が必要な項目
| カバー写真の追加 |
| ロゴやカバー写真を追加します。 |
| 概要の追加 |
| 企業のミッション、ビジョン、事業内容など明確で説得力のある内容を入力します。 |
| カスタムボタンをアクティブにする |
| ウェブサイトへのURLやお問合せなどの次のアクションを促すためのもの。追跡用のUTMパラメーターも追加します◎ |
| ハッシュタグの追加 |
| 3つまで追加可能。自社に最適なハッシュタグを選択します。 |
| リード獲得フォームボタンを追加 |
| リード獲得フォーム機能をオンにして、ヘッドライン、文章、ボタンを挿入します。 |
ページ完成までの進捗具合の確認
企業ページを完成させるために必要な情報の入力・アクションなどは、「スーパー管理者ビュー」または、「コンテンツ管理者ビュー」のトップページから確認することができます。
下記のように「アクションカード」が管理者ページ上部に表示されるため、アクションカードに沿って情報を入力していきます。

※アクションカード_何を行う必要があるかは一目瞭然です。
アカウント管理者の種類と役割
LinkedInアカウントを運用する場合、理解しておきたいのが管理者の役割の違いです。
LinkedInアカウントの管理者には大きく分けて2つの管理者に分けられます。企業ページを管理する「ページ管理者」と広告運用などを行う「ペイドメディア管理者」です。
その中でも細かく管理者がわけられており、それぞれできること、役割が異なるため注意が必要です。詳しく見ていきましょう。
企業ページを管理する「ページ管理者」
| スーパー管理者 |
| スーパー管理者は最も権限と役割が与えられているメインの管理者です。管理者の追加や削除、製品ページの作成・編集、サードパーティサイトからのコンテンツの投稿など利用可能な全ての管理者権限にアクセスする権限が与えられています。メインのランディングページは、[スーパー管理者ビュー] です。 |
| コンテンツ管理者 |
| LinkedInへのコンテンツの投稿、イベントの作成などが行える権限を与えられています。 |
| アナリスト |
| 企業ページなどのパフォーマンスを監視する権限が与えられています。「統計データ」タブのみアクセスでき、分析の表示とエクスポートが可能です。 |
広告運用を行う「ぺイドメディア管理者」
| スポンサードコンテンツ投稿者 |
| LinkedIn広告アカウントにアクセスして、企業の代表として広告コンテンツを作成したり、オーガニック投稿などをスポンサードに設定するなどの権限が与えられています。企業ページでオーガニック投稿を促進するためのアクセス権は付与されません。 |
| リード獲得フォーム管理者 |
| キャンペーンマネージャーで作成されたリード獲得フォームからの情報をダウンロードできます。 |
| ランディングページ管理者 |
| 企業ページに関連付けられたランディングページを作成したり、編集する権限が与えられています。 |
ページ管理者とペイドメディア管理者を同時に割り当てることも可能です。
企業アカウント作成の際の注意点
会社ページを作成する際には、長期的なLinkedIn運用を見据えた注意点があります。ここでは、弊社が長年の支援実績を通じて蓄積してきた“押さえておくべき注意点”をご紹介します。
企業アカウントが存在していないことを事前に確認する
過去にLinkedIn上で企業や組織のアカウントが存在していないことを確認しましょう。
大企業の場合、事業所や他の部署でLinkedInページを作成している場合があります。既にページが存在している場合は、新たに企業ページを作成することはできないため、管理者アクセス権をリクエストしましょう。
スーパー管理者を必ず追加しておく
何かのトラブルでスーパー管理者がページにアクセスできなくなったり、スーパー管理者が退職した場合に備えて、ページに他のスーパー管理者を必ず追加しておきましょう!
何かのトラブルによって誰もLinkedIn企業アカウントにアクセスできなくなった場合、アカウントが全く動かせなくなります。管理者情報を交代・削除などもできません。
系列企業ページを作成する
買収されたが独立した組織として事業を継続している場合や、系列企業やイニシアチブを明確にしたい場合などは、LinkedIn企業ページに複数の系列企業ページを含めることができます。
海外向けLinkedIn運用戦略『実践ガイド』

世界中の多くの企業が戦略的にLinkedInを活用している現在では、単にLinkedIn上に企業ページを開設しただけでは、ターゲットユーザーにたどり着くことも難しいでしょう。
LinkedInを効果的に活用するためには以下のポイントを押さえておく必要があります。
✅ Step1:目的・KPIを定義する
LinkedInのアカウント運用は、他のソーシャルメディアと同様に、「目的・KPI・ICP」を設定することから始まります。
LinkedInを通して何を達成したいのか、LinkedInを活用する事でどのような未来を目指すのかを事前にしっかりと検討し、目標を設定します。さらに、BtoB企業の場合、自社にとって理想的な顧客企業像(Ideal Customer Profile)を設計します。
目的:
- フォロワー数を増やす
- ブランド認知を高める
- エンゲージメントを向上
- リード獲得を獲得する
- サイトトラフィックを促進する
ICP:
- 業種
- 企業規模
- 地域・エリア
- 利用ツール
ここで作成した目的や ICP が、LinkedInプロフィールの説明文、コンテンツテーマ、広告ターゲティングなど、LinkedIn戦略の基盤になります。
✅Step2: LinkedIn上でのプレゼンスを高める
LinkedIn広告やコンテンツを投稿する前に、企業ページに情報を追加し、完成度を高め、関係者とのアカウントを紐づけ、LinkedIn上のプレゼンスを高めましょう。
会社ページに、ロゴ、タグライン、カバー背景やアクティブボタンを追加します。拠点を追加し、可能であれば経営陣の個人アカウントプロフィールを最適化し、会社ページと紐づけを行います。LinkedInが推奨するすべての項目を追加しましょう。
また、会社ページが完成したら、企業ページを従業員や周囲の人に知らせましょう。ページのフォローを促し、今後の投稿予定などについて説明しするとより効果的です。
✅Step3:競合、影響力のある企業を分析する
海外市場では、既に多くの企業が戦略的にLinkedInを活用し、レッドオーシャンです。LinkedIn上で競合や影響力のある企業を分析することは、「誰に・どのような・どのような形式で・どうやって届けるべきか」を見極める重要な判断材料になります。
既に成功している企業から学び、即実践につなげられるため、効果的な施策のための”最短ルート”です。
企業分析では、以下の指標は必ず押さえておきましょう
- フォロワー数
- 投稿頻度
- エンゲージメント率
- コンテンツ形式
- ユーザーの属性
- コンテンツの種類
- 文章のトーン
- テーマ・メッセージ性
✅Step4:魅力的なコンテンツ戦略を構築する
LinkedInはビジネスに関心の高いユーザーが多く、ターゲットが関心を持つコンテンツを共有する場として最適なソーシャルメディアです。キャンペーンの告知だけに活用するのではなく、業界のトレンドや事例紹介、ソリューションの紹介など、常に週に3~5件ほどの投稿コンテンツを用意します。
動画は他のフォーマット形式よりもエンゲージメントが5倍ほど高い効果が得られる傾向があります。スクロールしただけで動画が自動的に再生されるので、ターゲットの注目を集めたいときなどにおすすめです。
LinkedInアルゴリズムは、プラットフォームに投稿されている動画を優先する傾向があるので、投稿する動画はYouTubeビデオなどを共有するのではなく、プラットフォームに直接アップロードすることを推奨します。
✅Step5:同僚や従業員と交流する
会社ページの「社員リスト」に表示されている同僚や従業員と、LinkedIn上で交流を促します。
企業ページ上での従業員のコメントや交流は企業の信頼性を高め、ブランド認知拡大にもつながります。従業員との交流はLinkedInのマーケティング戦略と成長を拡大する上で最大の資産になる可能性があります。
✅Step6:LinkedIn アナリティクスで分析・改善を行う
LinkedIn上での投稿を開始したら、次にLinkedIn アナリティクスを活用してパフォーマンスをチェックを行います。
データの分析は、これまでのマーケティング戦略が的を射たものであるかどうかチェックすると同時に、早い段階で戦略の修正を可能にします。
LinkedInで成果を出している企業は、例外なく「実行 → 分析 → 改善 → 再実行」のサイクルを回しています。継続的に分析し、戦略を微調整し続けることこそが、LinkedInマーケティングを成功へ導く最短ルートです。
LinkedIn会社ページを成長させる機能
LinkedInには企業とユーザーのつながりを強化するためにさまざまな機能が用意されています。効果的に活用することで、より質の高いリードを獲得することが可能になります。
| ニュースレター |
| 企業が定期的に業界の洞察や最新情報をニュースレター形式で発信できる |
| イベントとライブ配信 |
| イベントページ作成で参加者招待、URL共有可能。ウェビナー形式のライブ配信も可能(審査あり) |
| コミュニティハッシュタグ |
| 最大3つまでのハッシュタグをフォローすることで、関連するトピックを見つけて、トピックをコミュニティと共有することができる。 |
| 製品ページを作成する |
| 製品ページではオーディエンスターゲットを絞ったページを作成し、製品情報やオーディエンスが知りたい情報を詰め込みます。 |
| ブースト機能 |
| 有料で理想のオーディエンスだけに投稿を届けることができます。大規模リード獲得や集客に有効。 |
| リード獲得フォーム |
| 広告の有料拡張機能。ユーザーが広告をクリックすると、LinkedInプロフィールから氏名、会社名、役職、役職、居住地など正確な情報が事前に入力されたフォームが表示されたリード情報を収集できる |
さいごに
全世界で会員数 13億人以上が利用しており、BtoB企業にとって非常に相性の良いソーシャルメディア「LinkedIn」。 人材の採用はもちろん、企業ページを効果的に運用することで、多くのユーザーとのつながりを効率よく構築することが可能です。
LinkedIn会社ページの開設からLinkedIn広告の活用など、新たな海外デジタルマーケティングの手段の一つとして「LinkedIn」を取り入れてみませんか?
海外向けLinkedIn活用でお困りのことがございましたら、ぜひ私たちにお申し付けください。
2023年8月10日公開
2025年12月1日更新

吉田 真帆 マーケティング部 プランナー
iCJの自社マーケティングを担当。オーストラリアの永住権を取得したにも関わらず、思いもよらず日本に帰国。オーストラリア→カンボジア→日本→シンガポール→2025年末から日本帰国。

