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2025年11月19日

韓国「NAVERカフェ」とは?|
韓国マーケティングに活用する方法

韓国で人気の検索エンジンNAVERが提供するサービスの中で、NAVERブログとともに広く使われているのが、「カフェ」という韓国最大のコミュニティサイトです。日本人の方にはあまり馴染みがなく、あまりイメージがわかない方もいると思いますが、韓国では最大のコミュニティサイトであり、大きな影響力をもっています。

本記事では、韓国で人気の「NAVERカフェ」の基本概要から韓国マーケティングに活用する方法など、詳しくご紹介していきます。

 

1.「NAVERカフェ」とは?基本概要

Naver カフェ

NAVERカフェとは、韓国最大の検索エンジン「NAVER」が運営するコミュニティプラットフォームで、2003年リリースされました。共通の趣味や関心テーマを持つユーザーが集まり、情報交換・議論・交流の場として活用されています。

1-1. Naverカフェの仕組み

NAVERカフェを開設すると、開設者が카페 매니저(カフェマネージャー)となり、「カフェ」を作成します。興味のある人達はカフェメンバーとなり、それぞれの掲示板で自由にコミュニケーションが取れる仕組みです。

Naver カフェの仕組み

NAVERカフェには、趣味、ビジネス、地域、育児、投資など多岐にわたるジャンルで数多くのカフェが存在し、誰でも新たなカフェを開設したり、既存のカフェに参加することが可能です。交流の中心は掲示板への投稿やコメント機能で、日本の「Mixiコミュニティ」や「Facebookグループ」とも近い仕組みです。

カフェへの参加や開設、投稿にはNAVERへの会員登録が必要です。

 

1-2. NAVERカフェの利用者数と年齢層

韓国内のNAVERカフェ月間アクティブユーザー数(MAU)は約3,000万人。これは韓国国民の約58%にも相当し、日本におけるX利用率とほぼ同等の規模で、極めて高い浸透率です。(データ:Nate

主な利用者層は30~50代が中心ですが、20代や10代も増加傾向にあり、幅広い世代が活発に活用しています。特にコロナ禍(2020年)以降は10代~30代の若年層の流入が顕著であり、多様な世代を巻き込んでいる点が特徴です。(データ:머니투데이 로고

韓国におけるNaverカフェ利用状況2025

 

1-3. NAVERカフェの活用例

ガンダムのプラモデルがテーマの「모두의 건프라(みんなのガンプラ)」NAVERカフェは14万人以上の会員を擁し、管理者や運営スタッフがテーマ別(販売、組み立てノウハウ、情報交流など)の掲示板を設けて、コミュニティ運営を行っています。

 

1-4. NAVERカフェ誕生の背景

韓国初の「カフェ」サービスは1999年の「Daumカフェ」ですが、検索機能や容量制限、開設者の年齢制限(14歳以上)などの課題からユーザー分散が進みました。

NAVERカフェは強力な検索機能、容量無制限、年齢制限なしなど柔軟な設計で、学生層の支持を得て独自のブロガー文化、NAVERブームへとつながりました。現在はNAVERカフェが最も普及率・影響力の高いオンラインコミュニティと言えます。

 

2.韓国でNAVERカフェが人気の理由

韓国でNAVERカフェが人気の理由

韓国マーケティングを手がける上で、NAVERカフェがなぜ、これほど支持されているのか。その理由を理解することはマーケティング活用にとっても重要なポイントです。以下、主要な特徴を日本との比較を交えつつ解説します。

2-1. 信頼と活発な交流を促す「準実名制」

NAVERカフェでは、NAVERアカウントを使って参加・活動するため、各ユーザーのNAVER IDが管理者や他メンバーから見える「準実名制」を採用しています。

完全匿名型の「5ch(旧2ch)」など日本のネット掲示板と異なり、一定の本人性担保が働くため、無責任な誹謗中傷やヘイト表現が発生しにくく、健全かつ責任ある交流が保たれています。

この環境は、安心して本音の情報交換や建設的な意見交換に参加しやすく、匿名と実名の“ちょうど良いバランス”を実現しています。

lightbulb-ideaマーケティング・インサイト
  • 順実名制のため、NAVERカフェ内でのクチコミ・レビュー等の信頼度は高く、広告や商品紹介へのレスポンスも良好
  • 責任感のあるコミュニケーション環境は、ブランドが安定的に顧客との関係構築ができ、ポジティブなイメージを形成しやすい土壌に!

 

2-2. ユーザーの行動導線を支えるさまざまな機能

NAVERカフェでは、掲示板ごとにテキスト・画像・動画・ファイル添付・投票・チャット・販売機能(NAVERペイによる安全な取引対応)など、多彩な投稿形式を無料で利用できます

これらの機能は、テーマごとに求められるコミュニケーションの深さに合わせて柔軟に使い分けることができます。たとえばレビュー中心の掲示板では画像・動画投稿が重宝され、議論型の掲示板ではテキストや投票機能が活躍します。また、NAVERペイを利用した売買機能によって、コミュニティ内での小規模な取引まで安全に完結できる点も大きな特徴です。

その結果、ユーザーは「知る(認知) → 調べる(比較検討) → 話す(口コミ・相談) → 買う(小規模販売)」という行動を、ひとつのプラットフォーム内でスムーズに実行できます。

趣味・専門分野の情報収集から、ユーザー同士の深い議論、ニッチな市場での口コミ形成まで、こうした幅広い行動をカフェ内だけで完結できる環境が、NAVERカフェの高い利用率と強いエンゲージメントを支えています。

lightbulb-ideaマーケティング・インサイト
  • 多様な投稿形式が製品理解と態度変容を加速
  • 議論&レビュー文化が比較検討の質を向上
  • NAVERペイ取引によりコミュニティ内でCV完結
  • 強い結束のコミュニティが口コミ・バイラルを自然発生
  • ニッチ領域へのリーチが非常に効率的

 

2-3. 興味関心を深堀できる「コミュニティ構造」

NAVERカフェでは、一つの大テーマの下に複数のカテゴリ別掲示板を設置でき、情報検索や交流が極めて効率的です。

例えば、「日本旅行」カフェなら、「一般情報」「グルメ口コミ」「ホテル情報」「ショッピング」「現地交通Tips」など細分化した掲示板を運営でき、ユーザーは欲しい情報に最短距離でたどり着けます。

また、単なる雑談掲示板と異なり、深い知識や強い関心を持つメンバーが自発的に集まる仕組みが構築されているため、濃度の高い議論やノウハウ共有が日常的に行われ、テーマを軸にした結束力の強いコミュニティが形成されやすいのが特徴です。

lightbulb-ideaマーケティング・インサイト
  • 自社が狙うテーマ領域にマッチしたNAVERカフェを選択するだけで、高精度なターゲティングが可能に!
  • コミュニケーションが活発なため、口コミやバイラル拡散が自然に生まれやすい
  • ニッチ領域での認知拡大やコアファン獲得に非常に効果的なチャネル

 

3. NAVERカフェのマーケティング活用法

NAVERカフェのマーケティング活用法

NAVERカフェは特定テーマで熱量の高いコミュニケーションが継続的に行われるため、韓国現地でも多くの企業が積極的にマーケティングに活用しています。各手法にはメリット・デメリットがあるため、自社の目的・リソース・KPIに応じて選択・組み合わせて活用することが重要です。

3-1. NAVERカフェを自社で開設・運営する

自社主導でNAVERカフェを開設することは、韓国市場におけるブランド認知から顧客育成までを一気通貫で行うための最も効果的な手法のひとつです。

韓国では趣味やテーマ別に集まるカフェ文化が根強く、専門性の高い情報交換やユーザー同士の活発なコミュニケーションが日常的に行われています。こうした文化を背景に、自社がカフェを開設することで、潜在顧客を継続的に集め、自社発信の情報を届け、信頼関係を育てる“自前のマーケティング資産”として活用できます。

日本で例えるなら、MixiコミュニティやFacebookグループの管理者として、自社の世界観やテーマに共感したユーザーが自然と集まり、長期的に交流を続けていくイメージです。

メリット

  • 自社のマーケティング資産として強固なブランドコミュニティを構築可能
  • ファン・顧客との双方向コミュニケーションを通じ、信頼性や親近感が高まる
  • ユーザーの主体的なコミュニティ活動によるクチコミ拡散や広告費削減も可能
  • 商品・サービスのフィードバック収集や商品開発・改善サイクルを短縮

デメリット

  • 立ち上げ~活性化まで相応の時間・運用リソース・ノウハウが必須
  • 初期会員獲得や能動的なコミュニティ運営・管理が課題
lightbulb-idea推奨ケース

中・長期的にブランドロイヤルティを高めたい、顧客の生の声を商品OP・サービス改善に活かしたい、自社発の情報でナチュラルなバイラルを生みたい場合に最適です。

 

3-2. 既存のNAVERカフェで活動する

人気テーマを扱う大型のNAVERカフェが多数存在し、これらコミュニティ内で投稿やコメント、レビュー活動等を通じ、バイラルマーケティング展開も可能です。

メリット

  • 既存の強力なユーザープールを活用することで、短期間でエンゲージメントを拡大可能
  • 有益な情報発信を続けることで、「その分野の専門家」として認知されやすい
  • コミュニティ内の自然な交流を通じ、潜在顧客へアプローチしやすい

デメリット

  • 継続的なコミュニケーションには、一定の時間とリソースが必要
  • 信頼構築・ブランド浸透には時間がかかり、短期のROIは期待しづらい
  • 過度な宣伝投稿はコミュニティ規約違反となることがあり、活動に制約が出る場合もある
lightbulb-idea推奨ケース

リソースが限られる企業、まずは既存の大型コミュニティを起点にニッチ市場へアプローチしたい企業に最適です。NAVERカフェランキングなどでテーマや規模を確認し、適したカフェを選定すると効果が高まります。

 

3-3. NAVERカフェ内で広告を配信する

NAVER広告機能を活用し、NAVERカフェのTOP画面や投稿文の下部にターゲティング広告を掲載可能です。会員のデモグラや趣味属性、カフェ単位でターゲティングできるため、低コストで効果的な認知・集客が期待できます。

メリット

  • 関心テーマごとの明確なセグメントへダイレクトにリーチでき、即効性が高い
  • 投稿文脈に沿った広告表示のため、受容性が高く、嫌悪感を抱かれにくい

デメリット

  • 広告コストが発生する
  • 過度な露出や露骨な広告表現はユーザーの反感を招く可能性があり、頻度や表現の調整が必須
lightbulb-idea推奨ケース

短期間で認知を拡大したい場合、明確な興味・関心層に確実にリーチしたい場合、そしてROIを定量的に測定したい企業に効果的です。

 

4. Naver カフェ施策を進める際の留意点

NAVERカフェでのマーケティングは、複数のカフェやIDを並行して運営したり、日常的にネイティブ同士の自然な会話に参加したりする必要があるため、企業担当者だけで対応するのは負荷が大きいケースも少なくありません。言語の壁に加え、韓国特有のコミュニティ文化を理解しながら運営する難しさも存在します。

そのため、代理店に運用を依頼するケースもありますが、宣伝的な投稿ばかりを繰り返す代理店に任せてしまうと、カフェマーケティングの本来の価値は発揮されません。むしろ、カフェ側から強制退会される、コミュニティ内で反感を買う、ブランドイメージを損なうなど、逆効果となるリスクもあります。

NAVERカフェの運営には、以下の点に留意しておく必要があります。

  • ネイティブレベルの言語運用
  • 自然な会話で信頼関係を築くスキル
  • 複数ID・複数カフェ管理の運用体制
  • 文化・文脈を理解した情報発信

したがって、単なるコンテンツの投稿代行ではなく、マーケティング戦略とブランドイメージの両方を理解し、コミュニティ運営の文脈を踏まえて対応できる代理店を選ぶことが非常に重要です。

 

5. さいごに

口コミがブランドや商品の認知・購買に直結する韓国市場では、NAVERカフェを活用したマーケティング戦略は極めて有力です。しかし、「日本企業の強みをどう韓国消費者に伝えるか」「効果的な伝播戦略は?」と模索されている担当者様も多いのではないでしょうか。

i Cross Border Japan では、韓国に向けたデジタルマーケティング戦略策定から、現地ユーザーに届く媒体運用・広告配信まで幅広い支援実績を持っています。「韓国でのデジタル施策に興味がある」「今のやり方が伸び悩んでいる」等、どんなことでもお気軽にご相談ください!

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よくあるご質問(FAQ)

Q1. NAVERカフェとは何ですか?
NAVERカフェは韓国最大級のコミュニティサイトです。共通テーマのユーザーが集まり情報交換・議論・レビューが活発に行われる場です。日本の「Mixi」や「Facebookグループ」に近いイメージです。
Q2. NAVERブログやその他SNSと何が違うのですか?
NAVERブログは個人発信が中心ですが、NAVERカフェは「テーマ別コミュニティ」が中心です。検索性が高く、有益なレビュー・議論が蓄積されるため、比較検討フェーズとの相性が良い媒体です。
Q3. NAVERカフェはマーケティングに利用できますか?
はい。韓国は口コミ文化が強く、NAVERカフェは「購買に影響を与える情報源」として企業利用が広がっています。レビュー・体験談を中心とした自然発生的な反応が期待できます。
Q4. 企業がNAVERカフェを開設するメリットは?
自社テーマに関心を持つ潜在顧客をコミュニティ化でき、双方向の対話を通じたファン化や口コミの自然発生が期待できます。韓国市場でのブランドコミュニティ形成に向いています。
Q5. カフェ運営の難易度は高いですか?
はい。複数掲示板の管理、投稿ガイドライン策定、会話の活性化、荒らし対策など、運営には時間と専門知識が必要です。韓国ネイティブが不在の日本企業にとってはハードルが高めです。
Q6. NAVERカフェで成果を出すために最も重要なことは?
「自然で信頼される投稿」と「ネイティブユーザーの文脈に沿ったコミュニケーション」が最重要です。宣伝色が強い投稿は嫌われやすく、コミュニティに溶け込む姿勢が成果を左右します。

2020年6月12日公開
2025年11月19日更新

チェ ヨンス

ヨンス チェ マーケティング部

大学では日本語の通訳・翻訳を専攻し、韓国から日本への移住を決意。 「日本と世界をデジタルで繋ぐ」マーケターとして活躍したいとを思い、インフォキュービック・ジャパンへ入社。 淡水エビ・タランチュラ・大型オウム・希少クワガタなどの飼育・繁殖経験もあるほど生き物が大好きです。現在、ヤモリを飼育して10年以上、ヤモリ愛に溢れた韓国人です。