広告プラットフォーム「ネクセン(Nexxen)」とは?|
広告担当者向け、特徴・仕組み・活用例をわかりやすく解説!
個人データのプライバシーに対する社会的関心が高まる中、広告主はユーザーのプライバシーを尊重しながら、効果的なターゲティングのためのインサイトを得る必要性に迫られています。クッキーの廃止をはじめとするデータ利用ポリシーの大きな変化を受け、広告主はキャンペーンの効果を最大化するために、より賢く戦略的なデータ活用が求められています。
このような変化の著しいメディア環境において、広告主にはコンプライアンスを満たすだけでなく、ユーザーに実際の価値を提供する広告ソリューションが必要です。現代の消費者は、自身の関心に合った関連性の高い広告には好意的であり、視聴体験を妨げるような広告には否定的な傾向があります。
この分野で注目を集めているプラットフォームの一つが Nexxenです。クッキーレス時代に対応した Nexxen は、独自技術とデータを活用し、強力なターゲティングを可能にします。
Nexxenの強みは「データ」を中核に据えているという点にあります。広告主は、自社のファーストパーティデータ、Nexxen独自のデータセット、あるいは信頼できるサードパーティソースを活用できるため、より効果的なキャンペーン展開が可能となり、ユーザーの信頼を維持しながら適切なメッセージを適切なオーディエンスに届けることができます。
本記事では、Nexxenの特長と企業での活用方法を紹介、解説し、今後のデジタル広告戦略に役立つ情報をお届けします。
※ 本記事は、Nexxenとのパートナーシップのもと制作されました。
目 次
「ネクセン(Nexxen)」とは?
Nexxenは、「Tremor International」、「Amobee」、「Unruly」といった複数企業の統合により誕生した広告プラットフォームです。デジタル広告およびコネクテッドTV(CTV)領域において長年の経験と実績を活かし、先進技術とデータドリブンなインサイトを組み合わせた効果的な広告ソリューションを提供しています。
2020年1月:Tremor International が News Corp から SSP「Unruly」を買収
2023年6月:Tremor International は、統合されたエンド・ツー・エンド型広告プラットフォームへの進化を反映し、ブランド名を「Nexxen」に変更
Nexxenは、テクノロジー、データ、クリエイティブ、戦略の知見を融合させた柔軟な広告プラットフォームとして、広告主、パブリッシャー、ブランドに成果をもたらします。
――未来に備える広告:進化する課題へのNexxenのアプローチ
広告業界は常に進化を続けており、その課題はクッキー廃止から、デジタルとリニアを横断するチャネルの断片化、そしてAI活用ソリューションの台頭まで多岐にわたります。Nexxenの統合的アプローチは、広告主がこうした変化に適応できるよう支援します。
1. クッキーを超えたアイデンティティ
Nexxen は Google の Privacy Sandbox のベータパートナーとして、プライバシーを重視したソリューションの検証をリードしています。Google が昨年クッキーに関する決定を下した一方で、各国の規制強化やシグナルの減少は、柔軟なアイデンティティ解決の必要性を浮き彫りにしています。
Nexxen は特定の技術に依存しないアグノスティックなアプローチを取り、ファーストパーティデータ、ユニバーサルID対応、コンテキスチュアルターゲティング、サプライキュレーションを組み合わせることで、広告主が規模や精度を損なうことなくオーディエンスにリーチできるようにしています。
2.フラグメンテーションへの対応
広告主は、リニア TV、ストリーミング、デジタルなど、横断するキャンペーン運用の複雑さに悩まされています。
Nexxen の TV Intelligence と Total TVソリューションは、データ・インサイト・プレミアムパブリッシャーの在庫を統合し、プランニングとアクティベーションを簡素化します。これにより、スクリーンをまたぐメディア投資が最大限の効率性と効果を発揮できるようになります。
3.AIによる効率化
Nexxen の nexAI は、プランニング、アクティベーション、最適化、マネタイゼーションといったあらゆる領域でプラットフォームの能力を拡張します。
これらのAIソリューションは、Nexxen Data Platformの強みを基盤に構築されており、分散したデータや独自データを統合して単一の基盤に集約します。これにより、広告主がより賢明な意思決定を行い、より強力な成果を実現できる、拡張性の高いAIツールを提供しています。
こうした背景から、Nexxenはテクノロジー、データ、動画(CTV/ビデオ)に特化した強みを持ち、独自のインハウス・クリエイティブチームにも近年注力しながら、グローバルに事業展開を進めています。
Nexxenの最大の特徴は、DSPだけでなく、SSP、DMPもすべて自社で保有し、それらの強みをシームレスに提供できる点です。これにより、広告主のキャンペーン目標の最適化と収益最大化を同時に実現するエンドツーエンドのプラットフォームを提供しています。
Nexxenの特徴と優位性:Nexxenのエンド・ツー・エンド ソリューション
Nexxenは、業種別やマーケティング目標に合わせてカスタマイズ可能な柔軟なデータドリブンソリューションを提供しています。
ターゲティング戦略の高度化、TVとデジタルを横断するリーチ拡大、より効果的なクリエイティブ開発など、キャンペーンのあらゆる段階でブランドの意思決定を支援します。
1. Nexxen Discovery:インサイトによる精度の高いオーディエンス発見
ウェブ、ソーシャル、TVオンデマンドにおけるユーザー行動を分析するプランニングおよびインサイトツールです。既存顧客だけでなく、類似オーディエンスへのリーチ拡大も可能にし、特に旅行、ラグジュアリー、プレミアム消費財など、行動の違いが購買に大きく影響する業種で高い価値を発揮します。
2. Total TV:マルチスクリーンでのブランド認知向上
Total TVは、リニアTV、CTV、デジタルビデオを統合するクロススクリーン動画ソリューションです。リーチ最大化と重複回避を両立させ、ブランド認知やTV接触後の態度変容測定を重視する広告主に適しています。
3. Nexxen Studio:データドリブンなクリエイティブ制作
社内クリエイティブチームによる高速で戦略的な広告制作を通じ、効果的なアセットを提供します。戦略立案・制作・最適化が一体となったワークフローにより、ビジネス目標に合致したインパクトのあるキャンペーンを実現します。
4. メディアミックス全体の戦略強化
Nexxenは、他のプラットフォームとも連携可能で、オムニチャネル戦略の一部として活用できます。データ統合力、クロススクリーン実行、先進的なプランニング・測定ツールが強みです。
こんな企業におすすめ!Nexxenの活用事例
こちらではNexxenを活用して成果を上げた企業の事例をご紹介します
1.The Kentucky Lottery/米国
25歳以上のケンタッキー州在住者に向けた認知・関心・購入の促進
DSPおよびプレミアムCTV・ディスプレイ在庫を活用し、ベンチマークを上回る成果を達成。Nexxen Discoveryによりコンテンツ消費傾向を分析し、今後の戦略に資するインサイトを獲得
Kentucky Lottery Case Study – Nexxen
2.Lexus/米国
ハイブリッド車には親しみがあるがEVにはまだ認知が低い多文化・LGBTQ+層に向けた購買意欲の喚起
Nexxen Discoveryのインサイトを活用し、高ROIキャンペーンを実施。競合他社に先駆けてハイブリッド車オーナーをターゲティングすることで、EV戦略の有効性を証明。
Lexus sees lower-funnel results with Nexxen Discovery & DSP – Nexxen
さいごに
Nexxenは、先進的な技術と柔軟なソリューションにより、プログラマティック広告分野における重要なプレーヤーとして多くの企業から、注目を集めています。また、Nexxenはブランドと消費者の関係をより深め、革新的かつデータドリブンな手法で強力なキャンペーン成果を実現する体制を整えています。
「海外向けにNexxenを活用したい!」「どのような媒体か聞いてみたい」方は、ぜひ、お気軽にご相談ください。
参考リンク:
Nexxen Data Platform
Nexxen Studio
Nexxen Discovery
Discovery Proof Points for Advertisers
Total TV

吉田 真帆 マーケティング部 プランナー
コンテンツ・SNS・メールマーケティングを統括。オーストラリアの永住権を取得したにも関わらず、思いもよらず日本に帰国。日本8年を経て、現在はシンガポールからフルリモート3年目。