韓国で人気のSNS「カカオトーク」とは?|
主要機能・連携アプリ・ビジネス活用法を解説

こんにちは!韓国人スタッフのチェです。
グローバル化が進展する中で、日韓間のビジネスや文化交流もますます活発になっています。こうした交流の中で欠かせないのがコミュニケーションツールです。
日本では、緑色の吹き出しが印象的な「LINE」が広く利用されていますが、韓国では国民の約9割が利用する、黄色いマークが特徴の「カカオトーク(KakaoTalk)」が使われています(カカオトークアプリはこちら)。特に、最新データによれば、韓国におけるカカオトークの利用頻度は他のSNSを大きく上回っており、幅広い韓国人に愛用されていることが分かります。

<We are social 2025 south korea_Digital 2025 Southe Korea_LINEとカカオトークとの差は歴然です。>
実際、We Are Socialの「2025年 韓国内で最も利用されているソーシャルメディア」の調査によると、「過去1ヶ月間にカカオトークを使った」と答えたユーザーは82.9%でした。(LINEは16.3%に留まり、LINEが馴染み深い日本とは異なる様子がうかがえます。)※この調査では、YouTube は 回答選択肢として提供されていないため、ランキングには表示されません。
今回は、韓国のデジタル文化に興味がある方や日韓ビジネスに携わる方なら知っておきたい、「カカオトーク」の主な機能やLINEとの違い、ビジネスでの活用について詳しくご紹介します。
目 次
韓国で人気のSNS「カカオトーク」とは?

「カカオトーク」は、スマホ向けモバイルメッセンジャーアプリとして、2010年にリリースされました。韓国内で国民的メッセンジャーアプリとして定着したカカオトークは、日常的なメッセージ、通話、人脈管理など、さまざまな目的で広く使われています。
メッセージの一日平均送受信件数は110億件に上り、韓国のモバイルユーザーの多くがショートメッセージサービス(SMS)の代わりにカカオトークを利用しています。また、ユーザー数の割合は韓国国内と海外が約「8対2」の割合で、海外より韓国内で広く使用されています。
韓国言論振興財団の「2024年ソーシャルメディア利用者調査」によると、カカオトークを利用する主な理由は「日常的な会話のため(86.0%)」とされています。しかし、カカオトークはそれ以外にもショッピング、ギフト、カカオペイ、カカオバンクなど、韓国の生活に特化したサービスを提供しているのが特徴です。これについては主要な連携サービスで後述します。
カカオトーク2025年の利用状況
2014年5月の時点のカカオトークのダウンロード数は、5億件を突破。月間アクティブユーザーは4,819万人に達しています(2025年8月時点)。韓国の人口が 5,115 万人であることを考慮すると、約94.2%の韓国人がカカオトークを利用している計算になります。
世界最多ユーザー数を誇るFacebookですが、韓国月間アクティブユーザー数は約 727万人、Instagramユーザーは約 2,741万人ということを考えると、カカオトークの人気がお分かりいただけると思います。
カカオトークとLINEの違い

それでは、ここからは「カカオトーク」と「LINE」の違いについて見ていきましょう。
開発背景:
まず、開発背景から整理します。
LINE は2011年6月に日本法人の LINEヤフー株式会社(旧NHN Japan)が開発し、日本をはじめ台湾、タイ、インドネシアなどアジア各国で広く利用されています。一方、カカオトークは2010年3月に韓国の Kakao Corp. がサービスを開始し、韓国国内で圧倒的なシェアを誇ります。
利用状況:
利用状況を比較すると、月間アクティブユーザー数(MAU)は、LINE が日本国内で約9,900万人、カカオトークが韓国国内で約4,819万人。グローバル規模では、LINE が約1億9,400万人に対し、カカオトークは約5,350万人と、LINE のほうが国際的に利用されています。
ただし、カカオトークは韓国国内での利用が中心で、生活に深く根付いた国民的アプリとなっています。どちらも全年齢層に利用されている点は共通しています。
連携サービス
連携サービスにも違いがあります。LINE は、LINE 公式アカウントやブランドカタログ、LINE ゲームなどを展開し、かつての LINE Pay も現在は PayPay への統合が進められています。一方のカカオトークは、トークストアやチャンネル、カカオペイ、カカオゲームスなど、日常生活と密接に結びついた多彩な連携サービスを展開しています。

このように、LINEは日本、カカオトークは韓国における生活インフラ的アプリとして、それぞれの国のデジタルライフを支える存在となっています。
カカオトーク・メッセージの基本機能

カカオトークには、LINEと同様に日常のコミュニケーションを便利にする多彩なメッセージ機能が搭載されています。2025年9月23日には大型アップデートが実施され、デザインや操作性、便利機能がさらに進化しました。ここでは、最新バージョンを基に、カカオトークのメッセージ機能の主要ポイントをご紹介します。
プロフィール
プロフィールを作成して自分を表現できます。さまざまなツールでプロフィールを飾ったり、友達のプロフィールにリアクションを送ることもできます。
(Tips) マルチプロフィール機能を使えば、基本プロフィール以外に最大3つまで追加作成可能。特定の友達やグループだけに見せるプロフィールを指定できるので、個人情報の露出を抑え、状況に応じたプロフィールを使うことができます。
友だち
友達追加、非表示・ブロック、友達リスト管理など、友達管理機能も充実している他、最新アップデートにより、友達のプロフィール変更履歴をタイムライン形式で確認、いいね!やコメントができる機能も追加されました。
チャット
リアルタイムで1:1またはグループチャット(トーク)が楽しめ、写真や動画、連絡先なども簡単に交換できます。職場でのグループチャットにも広く活用されており、WindowsやmacOSでも利用可能です。
(Tips) メッセージを自動翻訳できる機能もあります!カカオトークの全体設定>カカオラボ>ラボ利用>吹き出しの翻訳を設定後、相手から受け取ったメッセージを「翻訳」オプションで選択できます。
音声通話・ビデオ通話
無料で音声・ビデオ通話が楽しめます。キャラクターのエフェクトやフィルターなど、ユニークな機能も満載です。最大10人まで同時通話できるグループ通話も可能で、LINEと似た機能やカカオトーク独自の「グループ通話」も実装されています。
オープンチャット
友達以外の不特定多数と共通の関心や趣味をもとに自由に交流できる「オープンチャット」は画面をスクロールすると、今話題のコミュニティでリアルタイムのテーマ会話を、チャットルームに参加しなくてもフィードで内容を確認し、コメントを書くこともできます。
ショートフォーム
Instagramのような短い動画コンテンツが楽しめる「ショートフォーム」が追加されました。ユーザーがアップロードした写真をもとに、AIモデルを活用してショートフォーム動画を自動生成できます。
カカオトーク・メッセージの便利機能

カカオトークでは、コミュニケーションをより便利で楽しくする多彩な機能が搭載されています。スケジュールの共有から検索、スタンプ送信、グループ内の投票まで、チャットの中で完結できる工夫が満載です。ここでは、日常のやり取りをよりスムーズにする代表的な便利機能をご紹介します。
トークカレンダー
メッセージ入力欄の「+」>日程ボタンを押すと、さまざまなイベントをトークカレンダーに保存し、共有することができます。トークカレンダーで登録した予定の通知も受け取れます。
#(シャープ)検索
メッセージ入力欄の「#」を使って検索したい単語を入力すると、韓国の検索ポータルサイト「Daum」の検索結果が表示され、それをチャット画面で共有できます。チャット中に検索したい時、わざわざ検索アプリを起動せずその場で検索できる、とても便利な機能です。
スタンプ送信
メッセージ入力欄から、スタンプを送ることができます。カカオトークのマスコットキャラクターである「カカオフレンズ」や、他にも充実したスタンプを送信してチャットが楽しめます。「動くスタンプ」や「サウンド付きスタンプ」があり、気分によって使い分けできます。また、「カカオ絵文字ストア」でテーマやスタンプを購入したり、友達にプレゼントすることも可能です。

<「カカオフレンズ」のキャラクターは、韓国国内のみならず、海外からも人気が高く、食品メーカーや生活用品メーカーとのコラボ商品なども発売されています。>
投票機能
トークルーム右上の「≡」>投票ボタンを押すと、トークルーム内で投票ができます。締め切りを指定でき、複数選択、匿名投票、選択項目の追加可否などを設定できます。グループトーク中の仲間の意見を集める時に役立ちます。
告知機能
トークルーム右上の「≡」>告知ボタンを押すと、トーク内容の一部を「お知らせ」として設定できます。または、告知したいメッセージを長押しで告知に設定することも可能です。告知はトークルームの上部に表示され、全員に知らせたいメッセージがある時に便利です。
トーク履歴検索機能
- 単語検索:トークルーム右上の「🔎」をタップし検索すると、検索語が含まれたトーク内容が表示されます。
- 日付検索:「🔎」マークをタップしてさらに「🕓」マークをタップすると、下にカレンダーが表示されます。検索したい日付をタップして該当するトークを見ることができます。
トーク履歴キャプチャー機能
メッセージ入力欄の「+」>キャプチャーボタンを押すと、保存したい部分を指定、スクリーンショット画像を撮ることができます。
カカオトークで使える連携サービス

カカオトークは、さまざまな外部サービスと連携できる「スーパーアプリ」です。ユーザーは自分のライフスタイルや目的に合わせて、ショッピング・金融・SNS・ビジネスなどの多様なサービスを自由に選択し、アプリ内でスムーズに連携し、利用できます。
韓国では「カカオトークが止まると韓国が止まる」と言われるほど、生活に欠かせない存在です。メッセージアプリの枠を超え、アカウント一つで日常のほぼすべての領域をカバーできる「生活プラットフォーム」として定着しています。ここでは、そんなカカオトークと連携できる主なサービスについてご紹介します。
カカオアカウントがあれば、別途登録やアプリインストールなしでカカオトーク内で「〇〇@kakao.com」形式のアドレスを作成し、メール送受信が可能です。
Amazonと同じように、商品の購入ができるカカオショッピング。友達限定の商品や特別価格などが設定できるほか、友だちと共同購入を行うことで、割引価格で商品購入が可能です。また、LINEギフトのように友達にプレゼントをすることもできます。
LINE公式アカウントと同じサービスで、好きなブランドのカカオトークチャンネルを友だち登録し、商品情報やプロモーション、特典などをカカオトークメッセージで受け取ることができ、リアルタイムでの1:1相談も可能です。
Instagramに似た2012年3月リリースの写真共有型モバイルSNSです。韓国では50代以上の中高年層が利用するSNSの一つで、特に60代では1位を記録するほど中心的なプラットフォームです。
2015年にサービス開始したタクシー配車機能です。出発地と到着地を入力し、車種やカード決済の有無を選んで予約。「カカオトーク」との連携で出発時間や位置、所要時間、タクシーの種類、番号などを家族や友人に送信が可能。クレジットカードや現金がなくてもアプリで簡単に決済できるのも魅力の一つです。
韓国内でのキャッシュレス決済BIG3に入る、カカオトークを基盤としたモバイル決済サービス。2014年9月にリリースされました。カカオトークアプリにクレジットカード情報や決済パスワードを登録し、パスワード入力だけで簡単に決済できます。使い方が簡単で便利です。最大30枚までクレジットカードを「カカオペイ」に登録できます。
モバイルナビゲーションサービス「カカオナビ」は、目的地への道案内はもちろん、現在地や目的地、所要時間をカカオトークで共有でき、カカオナビをインストールしていない人にも道案内が可能です。その他、出張車検予約、最新交通情報、音楽・ラジオの再生もできます。
カカオトークウォレットは、電子ウォレット機能はもちろん、ウォレット内の電子証明書メニューでは、主要な公的書類・証明書の発行や閲覧、提出をカカオトーク内で行える電子証明サービスを提供しています。住民登録証明書やワクチン証明書の発行も可能です。また、国家資格を登録したり、名刺代わりにQRコードを発行したり、請求書などをウォレットに保管することもできます。
2023年10月にローンチされた、カカオのAI技術研究開発子会社「カカオブレイン」によって開発された、外部大型言語モデル(LLM)の生成AIです。
韓国語特化型のAIで、文章の生成や要約、質問応答、感情分析など大規模言語モデルとして、多様なタスクをこなす設計となっています。

その他、カカオバンク・カカオマップ・カカオゲームズ・4000以上のブランドやショップから買い物ができる「ジグザグ(zigzag)」・オリジナルコンテンツを楽しめるカカオTV・コミックが楽しめるカカオウェブトゥーン、業務プラットフォームカカオワークなど、様々なサービスを連携することができます。

カカオトークのビジネス活用方法 
カカオトークは、個人利用にとどまらず、「企業⇔個人」のコミュニケーションを支えるビジネスツールとしても幅広く活用されています。
企業は「ビジネスアカウント」を開設することで、自動メッセージ配信や顧客サポート、キャンペーン運用など、韓国ユーザーとの接点を強化するさまざまな機能を利用できます。また、ビジネスアカウントを通じて自社サイトやECプラットフォームへの誘導、顧客セグメントごとのメッセージ配信、アプリ内広告の出稿も可能です。
このように、カカオトークは韓国市場での集客・販促・CRMを一体的に実現できる強力なツールといえます。
では、実際にどのような機能やサービスを組み合わせることで、企業が韓国ユーザーとの接点を効果的に築けるのでしょうか。ここからは、ビジネス活用に特に有効なカカオトークの主要連携サービスを具体的にご紹介します。
ビジネスに活用できる!カカオトークの連携サービス

カカオトークでは、企業の目的に応じて多彩なサービスを連携できます。ここでは、日本企業の韓国進出・販促活動で特に効果的な3つのサービスをご紹介します。
(1)顧客とのコミュニケーションを活性化できる「カカオトークチャンネル」
カカオトークチャンネルはLINE公式アカウントのように、ブランド・企業・団体の公式アカウントとして、友だち登録をした顧客に商品・ブランド・サービス情報の提供やカスタマーサポートができるサービスです。
・活用例 ①
フォロワー(チャンネル友だち)獲得、ブランド情報提供、イベント案内など
化粧品ブランドが「カカオトークチャンネル」を開設し、消費者に新商品ローンチ、限定イベント、割引情報などを案内
・活用例 ②
航空会社がカカオ通知トークで顧客に航空券予約情報や出発情報を案内。カカオ相談トーク/チャットボットを活用し、韓国顧客の問い合わせに24時間自動対応でカスタマーサポート
(2)韓国内でのプレゼンス向上のための「広告サービス」
カカオトークおよび関連サービス全般、または韓国の検索エンジン「Daum」に、ディスプレイ広告、キーワード広告など、目的に合わせて様々な種類の広告を掲載できます。
・活用例 ①
ディスプレイ広告を利用し、カカオトークやDaumのメイン画面に旅行商品、航空券、ホテル特価などの広告を配信し、ターゲット旅行客へのブランド・商品認知度向上、新規顧客の流入を図る(2025年9月23日のアップデートにより、ショートフォームにもバナー型の広告掲載可能)
・活用例 ②
特定キーワードに連動した広告を配信し、カカオトークチャンネルやDaum検索エンジンを利用する韓国消費者にカカオトークチャンネルおよびホームページを露出
(3)売上向上に効果的な「カカオトークストア/予約サービス」
「カカオトークストア」ではプラットフォーム上で直接商品を販売でき、カカオトーク利用者を対象に様々なショッピング体験を提供できます。また、「カカオトークで予約する」サービスは顧客に簡単な予約受付やキャッシュレス決済を提供できます。
・活用例①
カカオトークストアに公式入店し、ショッピングライブで新商品をリアルタイム紹介しながら韓国ファンと交流。カカオトークギフトに限定商品を登録し、モバイル交換券からギフト選択まで、韓国顧客のギフト需要を攻略
・活用例②
温泉リゾートや飲食店がカカオトーク予約サービスを提供し、観光客がウェブページを経由せずに予約受付と決済をワンストップで提供。
このように、カカオトークは単なるメッセージアプリではなく、「コミュニケーション・広告・販売」を一体化できる“ビジネスプラットフォーム”として進化を続けています。韓国市場でのブランド認知拡大や顧客ロイヤルティ向上を目指す企業にとって、カカオトークの活用は欠かせない戦略のひとつといえるでしょう。
結論
「カカオトーク」は、韓国で最も利用されているコミュニケーションツールです。近年では、メッセージのやり取りだけでなく、ショッピングや金融サービス、配車サービスなど、日常生活のあらゆる場面で活用されており、韓国社会に深く根付いています。そのため、日韓ビジネスにおいてカカオトークを活用することは、多くの韓国人ユーザーに効果的にアプローチするための有力な手段となります。
しかし、カカオトークを単なる宣伝ツールとして使うだけでは、十分な効果を得ることはできません。韓国のユーザーに信頼され、長く支持されるためには、「価値ある情報の提供」や「文化の違いに配慮したコミュニケーション」を継続的に行うことが不可欠です。
韓国向けのマーケティング活動について「どのように始めればいいかわからない」「自社に合った活用方法を知りたい」といったお悩みがありましたら、韓国人スタッフがお客様をサポートする「i CROSS BORDER JAPAN」まで、ぜひお気軽にご相談ください。

ヨンス チェ マーケティング部
大学では日本語の通訳・翻訳を専攻し、韓国から日本への移住を決意。 「日本と世界をデジタルで繋ぐ」マーケターとして活躍したいとを思い、インフォキュービック・ジャパンへ入社。 淡水エビ・タランチュラ・大型オウム・希少クワガタなどの飼育・繁殖経験もあるほど生き物が大好きです。現在、ヤモリを飼育して10年以上、ヤモリ愛に溢れた韓国人です。

